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靴を捨てた [ひとりごと・考えること]

昨年の大掃除の隠れたテーマが「捨てる」だった。

溜まってしまった(貯めてしまった)不要なものを随分捨てた。
それでもまだまだ残っている。
暖房の効かない寒い部屋の中は、作業するのが辛いので殆ど手つかずのままだが、
あったかくなってからやる、と家族には宣言してある。

その中で、下駄箱の中を整理できたのは、収穫だった。
年々子供たちの履き物が増えていくのに、サイズが合わなくなった靴を始末しきれずにいて、
いい加減スペースが無いところにさらに押し込んでいたものだから、収拾がつかなくなっている。
今年こそ、と、暮れの一日下駄箱と取り組んだ。


履きつぶし直前の子供のスニーカーや、
安かったから買ってきたはいいもののやっぱり足に合わずお蔵入りになっていた連れ合いの靴(靴は本人を連れていって買いましょう)など、
目につく端から、捨てていった。
もったいないという声も聞こえそうだが
とにかく「捨てる」モードだったから勢いが止まらない。


そして、大量に処分したものの筆頭は、私が以前履いていた靴たちだった。

独身の時によそゆきに買ったハイヒールが大半。
気に入って買って、結構大事に履いていたけれど、
もう色があせていたりシミが浮いていたり、皮が傷んでいたり、
今おしゃれした時に履くかと言われたら…迷った末、結局また箱に戻すだろう。

そしてそれ以前に、
もうそんなにハイヒールを履く機会が無くなった。
冠婚葬祭用の黒いパンプスと、あと2足ぐらいあれば用が足りる。

それよりも、カカトがぺっちゃんこだったりつま先に余裕のあるものの方が
今は遥かに重宝しているし、安心して履ける。

若いころ、足が痛いのにハイヒールを履きとおして一日過ごしていた
あの我慢はどこから来ていたんだろう。
痛かったり締め付けられるのが当たり前だったんだろうか。
もう忘れちゃったな。


そんな靴たち。もう履かないと分かっていながら、随分長いこと捨てられなかった靴たち。
思い切りよくゴミ袋に放り込んでみたら、
体のどこかを縛っていた何かがはずれたような気がした。

そして、意外と簡単に捨てられるもんだったんだ、と気がつく。

こういう靴を履いていた頃の自分。
仕事をばりばりしていた頃でもあるし
自分の意志で行き先を決めることができた頃でもある、
かつての自分。
それを惜しむとか戻りたいとかいうのではないけれど、
どこかで大切にしておきたい気持ちがあったのは事実。
そこにあった「自分自身」の残影を懐かしがっていたと言えるのかな。
「今までやるべきことは一応やってきました」
そういう象徴が、おそらく「靴」だったんだじゃないか。


でも実はそういう「過去」は、もう必要ない。
今の私、案外強い。
何も無くなっても、もしかしたら多分生きていける。
これからの方が大事だと思うことができる。
そう思えるようになったは、最近のことだけれど。


靴を捨てて、さて見まわしてみると、
ここ2、3年の間に買った履きやすい靴が元気よく並んでいる。
これらを履いて歩いて、いつか履きつぶして
そしてまた新しい履きやすい靴を買おう。

靴を捨てられるかどうかは、私にとって試金石だった。
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u-k

ええ、アタクシも年末にたーくさん捨てました。
by u-k (2010-01-25 09:59) 

花れんげ

***ずずみんさん***
nice!ありがとうございます。

***u-kさん***
何を捨てられたのでしょうか…気になります(あ、靴のこと?笑)。
by 花れんげ (2010-01-25 15:43) 

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